倉庫を運営していると「もっとたくさん保管したい」と色々工夫してると思います。
でも考え無しに荷物を敷き詰めて置いてると、今度は出荷効率が落ちるんですよね。
あー、テトリスみたいに何も考えず積み上げられたらなあ・・・
ちょっと待ってください、積み上げたらいいじゃないですか!
ラックの背を天井近くまで高くして、倉庫の上部空間も全部収納スペースに活用しちゃいましょう!
今回は倉庫内の上部空間の有効活用ができる高層ラックについてご紹介します。
今回解説するのはこちら
・高層ラックの基本解説
・高層ラックの活用方法
最初に言ったように高層ラックはとにかく背が高いラックです。
どれくらい背が高いかというと、天井近くまでどこまでも伸びます。大きな倉庫だったら大体天井が5m近くあるので、身長5mになりますね。
なので通常のラックと比べてかなりの保管数アップが期待できます。ラックの背が2倍3倍と伸びたら、もちろん保管数も2倍3倍になりますからね。
倉庫としてもラックの配置を変えずに保管量が増えるから御の字です。今までもお客様にこれを提案したら皆さんかなり喜んでました(^^)
ただ背が高すぎて当然上段の方の物は取れません。
でも安心してください。荷物の出し入れは専用の「ピッキングフォークリフト」を使います。
このピッキングフォークリフトは、「ピッキングリフト」とか「ピッカー」とか呼ばれたりもします。
普通のフォークリフトと違って、人が乗ってるところが上がります。そしてそのまま荷物の出し入れとかピッキングやらできちゃいます。
ただこのピッキングフォークリフトには問題もあります。
こちらの記事で詳しく解説や解決方法を書いたので、こちらもぜひ活用してくださいね。
ちなみにパレットラックとはまた別です。
パレットラックはフォークリフトを使うから、そもそも背を高くすることができます。
今回の高層ラックは荷物の出し入れにフォークリフトを使わず、人の手を使う通常のラックを高層化できるってお話です。
高層ラックなので、天井の高さのある倉庫におすすめです。
例えば今運用している倉庫で、ラックと天井に距離があるなら保管数が増えるのでおすすめできると思います。
また、出荷頻度が多くない倉庫に向いています。
反対に出荷数のある倉庫にはおすすめできません。
どうしてもピッキングフォークリフトを使うから、直接人の手を使うよりは時間がかかっちゃうのでおすすめできません。
ただ、最近のピッキングフォークリフトは結構早く動くので、それこそ3PLとか全国配送の倉庫みたいな出荷能力が必要ないところだったらおすすめできます。
先述の通り、運用にはピッキングフォークリフトが必要です。
上層部の荷物はピッキングフォークリフトを使って入出庫すると、手作業よりも時間がかかってしまいますから、手が届かない上段には出し入れの少ない荷物を置くようにするとGoodです。
WMSなどのシステムを駆使して、よく出る商品とあまり出ない商品をしっかりと分析しましょう。
高層ラックと通常のラックの構造上の違いは、側面の支柱に耐震用のブレースが入っている部分です。
普通のラックと違って高さがあると、特に上の方になると揺れが大きくなります。マンションとかと一緒のイメージですね。
載せる荷物が重い場合はパレットラックの部材を使ったりもします。
その場合の支柱はトラスを組んで耐震を持たせます。こっちの方が耐荷重も耐震性能も高くできます。
ちなみに、トラス構造っていうのは三角形を基本とした構造で、鉄橋とか鉄塔とかにも使われる非常に強度の強い構造です。
何を載せるか、どれくらい載せるかを決めたうえで通常の構造か、トラス構造にするか決めましょう。
あとは、隣同士のラックを繋いで耐震補強を行う構造も持たせます。
これは「天ツナギ」と呼ばれています。
通常はラックのてっぺん同士をつなぎ合わせるから天つなぎと呼ばれています。でもまあ写真みたいに中間に挟んだりもできます。
ちなみに上の写真の中間の天ツナギは耐震のためじゃなくて、ピッキングフォークリフトをちゃんと下げてくださいって注意喚起のために入れてます。
リフトを上昇させたまま移動すると危ないですからね。
あとはラックの周囲にガイドレールを取り付けます。
ピッキングフォークリフトを使って荷物の出し入れを行うときは人の手を使うので、荷物の手の届く距離までラックになるべく距離を近づける必要があります。
そうすると、寄せすぎてラックにぶつけちゃう危険性が高いんですね。
ぶつけると傷をつけたり最悪倒壊の危険性もあるから、ぶつけないように床にガイドレールを設置します。
こんな感じで床にアンカーで固定しちゃいます。これでぶつける心配がなくなります。
高層ラックに関しては安全な設計にするところがポイントですね。作業員が安心して作業できるようにしてあげましょう。
こちらはアパレル系のお客様で、衣類の保管や出荷を行っています。
今回は収納数を増やしたいというご要望でこちらを納入しました。
高層ラックはその背の高さから天井の照明が届きにくく、作業者の見間違いによる誤出荷に繋がる恐れがありました。
こちらの高層ラックには、ラック間の通路ごとに照明を取り付けています。
これによって誤出荷率が低下し、高層ラックの弱点を解消することができました。
続いては一段あたりの耐荷重が1,000kgの重量高層ラックです。
こちらのお客様は重量のあるベアリングを取り扱っているため、通常のラックでは耐荷重が足りませんでした。
この高層ラックは重量物の保管を得意とするパレットラックの部材を使って製作されています。
パレットラックとは違って棚板がついているため、使い方は通常のラックと同じです。
通常の高層ラックと同じくトラス構造で耐震性能を持っていて、商品自体も重量物なので万が一落下したときの対策に落下防止対策用のバーも取り付けています。
よく出る商品は手の届く下段に収納し、手の届かない高層段は出庫頻度の低い商品を収納しています。
このように頻度で収納分けすることで、保管効率を上げつつ、出荷能力を落とさないようにすることができます。
倉庫内の床面積は有効活用できていても、上部空間を有効活用できていないケースは多いんです。
弊社の倉庫も有効活用できていないよ、という方は高層ラックの導入を検討してみるといいでしょう。
保管量がグッと伸びます。倉庫の状況によっては2倍以上増やせるかも。
高層ラックにはピッキングフォークリフトも必要なのを忘れずに。
ピッキングフォークリフトには色々注意ポイントがあるので、解決方法も含めて関連記事の「ピッキング架台」の記事もぜひ読んでみてくださいね。
最後に天井の高さやピッキングフォークリフトの動線などレイアウトには注意しましょう。
当社は多くのお客様に高層ラックの納入を行って参りました。
保管効率のみならず、出荷効率や安全面なども下げずにご提案をさせていただくことができます。
高層ラックの導入にお困り、検討をされている方は以下よりお気軽にお問い合わせください。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
このコラムを読んだ方は次の記事も合わせて読むと、さらに御社の倉庫や工場のレベルアップに繋がると思います。ぜひご覧ください!
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