1階と2階で荷物を行き来させるとき、垂直搬送機やバーチレーターが活躍します。
今回はそんなフロア間の搬送機器について解説していきます。

垂直搬送機とは

垂直搬送機とは一般的に人が使うエレベーターと同じように、積載部のかごに荷物を載せた後、ボタンを操作して上階、下階に荷物を搬送する搬送機器です。
垂直搬送機を使うメリットは2つあります。

メリット その1 荷物のみの搬送が可能
荷物用のエレベーターと違って、パレット荷物単体で搬送することができるため使いやすい設計となっています。
荷物を運ぶ人が一緒に乗る必要がないので、フロア間で送る担当と受け取る担当を分けることで効率UPすることができます。

メリット その2 安全性が確保されている
垂直搬送機は安全な設計となっています。
昔の昇降機と違い、事故が起きやすい搬送部分に人が侵入できないようになっているため、安心して使うことができます。

バーチレーターとは

バーチレーターとは、コンベアラインに組み込まれて連続的に昇降の動作をしている昇降機です。
ケースや段ボール用のエスカレーターのようなイメージです。
バーチレーターを使うメリットは3つあります。

メリット その1 搬送スピードが速い
バーチレーターの内部には複数の台座が同時に動いており、搬送スピードも速いため、たくさんのケースを搬送させることができます。

メリット その2 搬送ラインを止めずに、ラインの一部として利用することができる
バーチレーターは連続的にたくさんの荷物を搬送できることから、コンベアラインの一部に組み込まれます。
コンベアで流れてきた荷物を止めずに、バーチレーターで上下階に搬送することができるため、フロア間を跨いだコンベアラインを作成することができます。

簡易リフト

簡易リフトとは、垂直搬送機と同じように荷物を載せてスイッチの操作で動作する昇降機です。
垂直搬送機と違う点はサイズと積載荷重で、積載部の高さが1.2m以内、積載荷重が250kg以下という規定があります。

ただし、建築基準法、労働衛生安全法の規定にてこちらは基本的にNGとされています。
倉庫や工場で使えるような簡易リフトを導入することはできないと考えてまず差し支えありません。
昔に導入した簡易リフトを法律に適した形に改造することをおすすめします。

バーチレーターの活用方法

こちらのお客様は2階で検品した商品を1階の出荷場へ搬送するためにバーチレーターを導入しました。
垂直搬送機が必要な大きさの荷物もなく、大量のケースを搬送するため、バーチレーターが最適です。

駆動コンベアと組み合わせてバーチレーターを導入しており、検品から梱包までをフロアを跨いでノンストップで動いてくれるので、出荷能力は非常に高くなります。

簡易リフトの改修

簡易リフトは昔、倉庫や工場でよく使われていましたが、昨今は事故の危険性が高いため法律によって規制されています。
こちらは法規制前に導入された現在では違法な形の垂直搬送機です。
荷物搬入口と昇降部が一体で、人が乗り込むことが可能なため危険と判断されています。

そして、改修後がこちらです。
既存の昇降部に搬入口を取り付けて、人が昇降部に侵入できない形に改造を行いました。
一般的な人間用のエレベーターと同じようにボタン一つで昇降するため、簡単に使うことができます。

二階の簡易リフト出口改修前はこのような形でした。

そして、こちらが改修後です。
一階と同じように搬出入口を設けました。

搬入口に投入した荷物は扉を閉めると、かごが昇降部に移動し、それから昇降を行います。
搬出のときも昇降部から搬出口に荷物が出てくるため、昇降部に人が侵入せず事故を防ぐことができます。

これで適法かつ安全に運用することができます。
昔から使われている簡易リフトもこのように改修することが可能です。

まとめ

垂直搬送機・バーチレーターは2階以上の倉庫や工場の動線を考えるうえで非常に大切な機器となってきます。
フロア間をスムーズに搬送できるとフロアを自由に活用することができます。
昇降機は法律で厳しく規制されているため、法律に則った安全な仕様で設計しましょう。

当社はフロア間をまたいだ倉庫や工場の全体を100%活用できるような動線設計を得意としており、
その中の一つとして垂直搬送機のご提案をたくさんのお客様に行ってきました。
倉庫・工場を活用できるようなレイアウトを考えたい、垂直搬送機をどのように導入すればいいかわからない、というお客様はお気軽に以下の問い合わせボタンからご相談ください。