• 2024.06.25

空港のハブ仕分けコンベアラインの導入事例

旅行や仕事などで毎日多くの人たちが空港を訪れていますが、旅をするのは人間だけではありません。
空輸、つまり貨物も空を飛んで海外に輸送したり、国内に運び込まれています。

年間400万トンを超える膨大な量の荷物が空港から出入りしており、空港内の物流機器たちがその一端を担っています。
普通の物流倉庫では到底考えられない荷物の量が出たり入ったりするので、やはり物流人としては一度携わってみたいと思っていましたが、、、

この度幸運に恵まれ、空港の物流をお手伝いをさせていただけるとお声がけいただきました。
なので、今回はそんな空港でのお仕事について 3部に分けてご紹介していきます。
第一部は、福岡の空港に導入したコンベアラインについてです。
ぜひ楽しんで読んでみてくださいね!

ご依頼の内容

インターネットが普及し、海外からの輸入、輸出品が年々増加してきました。
コロナウィルスの影響で一時は落ち込みましたが、近年徐々に国際線の貨物取扱量が戻ってきました。
それに伴い、新しく空便路線を構築するため、空港にハブ仕分けラインが必要になるので、物流システムを含めたコンベアラインを作成してほしいとのご依頼でした。
ハブ仕分けラインとは、海外から入ってきた荷物を国内の行き先方面ごとに仕分けをするラインのことです。

荷物はこのような珍しい形のコンテナに入ってきます。形自体はいくつかありますが、どれも珍しい形ばかり。
理由は聞いていませんが、円筒状の飛行機いっぱいに詰めるからでしょうか、きっと何か深い理由があるんでしょうね。
とにかく、このコンテナを飛行機から降ろして、作業場に運び込み、中の仕分けをしていく必要があります。

コンテナたちは飛行機が停まった駐機場から、搬送車で牽引されながらハブセンターに来ます。
ここまでは空港のお仕事、ここから先が当社の頑張りどころです。

工事の流れ

工事の初日は大雪でした。

スタートから二時間で大雪のため工事は中止、外に出していた部材たちを中に搬入だけして急いで退避しました。
空港へアクセスするための橋が閉鎖される10分前ギリギリ、もう少しで空港内で一晩を過ごすところでした。。

次の日も大雪は収まらず、工事はその後日から。
幸先悪いですが、長くやっているとこういうアクシデントもたまには起こりえるんですよね(´・ω・)
でも、何かあったときを想定して工期を取っているので、これくらいでは特に問題はありません。

いよいよ設置が始まります。
重量物の設置なので、安全確保のために慎重かつ正確に設置していきます。

まずは設計図面に沿って、床に墨うちを行い、先ほどのコンテナを搬出・搬入するためのコンベアを設置していきます。
コンテナが大きいからコンベアも非常に大きな特注品です。

合わせて、地面に傾斜やへこみがないかも確認していきます。

コンベアが水平になっていないと荷物が勝手に滑り出します。
コンベアの脚を個別に調整して、水平にしていきます。

続々と設置していきます。
コンベアの間に作業員用の歩廊を設置しています。
この歩廊は、作業員がコンテナの中身を次のコンベアに移す作業を行うためのものです。

このように設置します。

続いてコンテナの中の荷物を仕分けるためのコンベアを設置していきます。

このコンベアラインは輸入時も輸出時も使えるように設計しているため、方向転換が可能なボールコンベアを入れました。
360度どの方向にも転がるようになっていて使いやすいので、方向転換したい箇所に採用しました。

ボールコンベアからスライダーという滑り台のようなものをつけています。
手前のコンベアが低いため、滑らせるようにする方が運用も楽です。
滑りやすくするために素材はステンレス製で作成しました。

もし荷物が勢いよく滑ってもコンベアから落ちないようにストッパーを取り付けました。
大切な荷物の落下防止対策もばっちりです(^^ゞ

最後に一部開閉が可能な柵を取り付けて完成です。

完成形はこのような形です。

大きな問題もなく設計通りに完成しました。
大雪にも負けず完成できたので充実感で満たされています(´▽`)

こちらの設計は実は様々な工夫がされています。
読んでても、コンベアの方向転換させたり、ラインが複数本あったり柵がついてたりと不思議に思われた方も多かったんじゃないでしょうか。
もったいぶってすみません、今からそれもご紹介しますね( `ー´)ノ

まず上から見た全体像のイメージは以下です。

このコンベアラインは輸出、輸入とどちらでも使われます。
まず輸入の流れはこんな感じです。

まず貨物機から降ろされたコンテナを①のコンベアに載せ、中身を②に出していきます。
そして③のレーンに荷物を捌けながら下のトラックに載せて各方面に運んでいきます。
輸入の流れは非常にシンプルですが、輸出は少し複雑になります。

輸出する際にはX線を通す必要があり、このとき荷物に危険物が入っていないか、輸出が禁じられているものが通っていないか検査をします。
X線検査は輸出国が行うことになっているため、輸入時には必要ありません。
輸出のラインのみにX線検査の機械が入るため、輸出と輸入を分けた2本のコンベアが必要になるわけです。

輸出の流れは、手前のコンベアに輸出する荷物が並び、それがDWS(Dimensioning Weighing Scanning)という名前の測定器に通されます。
DWSを通った荷物は大きさや重量が測定され、その先のX線検査機に通され、危険物や輸出禁止物が含まれていないか検査されます。
ちなみにこのDWSは空港側で手配されたものでしたが、縦×横×高さの3Dの計測ができることに驚きました。最近の機械は優秀ですね。

DWSとX線検査機を通った荷物は、送り先の空港に「この大きさの、こんな荷物が届きます」と自動でデータが送られます。
でも、荷物データが送られた後に荷物の紛失などがあっては非常に困っちゃいます。
送り先から「荷物のデータがあるのにこちらには来ていない」と言われると、最悪国外の現地に行って確認しないといけないとか。。。

だからX線を通った後の荷物はそのあと輸出用のコンテナしか入らないように、X線から先は柵で囲いました。
柵の中の荷物は全てコンテナに入れるしかないため、DWSのデータとも齟齬が起こらない、完璧な設計です(゜_゜>)

X線を通した後の荷物が、通す前の荷物に混入しないように、スライダーの部分に開閉式の柵を取り付けました。
輸入の仕分けのときにはスライダーを使うので、輸入のときには開けて、輸出の時には閉めて使います。

おおまかな流れはこんな感じです。
細かな工夫も紹介すると、

コンベアを各所跳ね上げ方式にして間を人が通れるようにしています。
間を通れないと反対側に行きたいときにいちいちコンベアを大回りしないといけないので、跳ね上げ式にするととても楽になります。

あと、どこにも繋がっていないこちらのコンベア。
これは輸入の際にイレギュラー品などを一時的に置いておくバッファです。
これもあるのとないのでは運用のしやすさに響いてきます。

最後にコンテナをつけるコンベアにもストッパーを付けました。
コンテナから荷物を出し入れしているときに勝手に滑ることがあるため、ストッパーを起こして滑り止めに利用できます。

以上が空港に納入したコンベアラインです。
当社はこのような物流に関する記事を今後も書いていきますので、ぜひお気に入りなどにご登録いただけますと幸いです。

また、当社ではお客様の倉庫・工場の課題を解決するような物流ソリューションを提案させていただいております。
既存の製品では解決できないものに関しては、当記事のコンベアのようにオーダーメイドで設計をさせていただくことも可能です。
お打ち合わせやお見積りは無料ですので、貴社の物流で何かお困りごとがある方は、以下の問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください!

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今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
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