垂直搬送機・バーチレーター・オートレーターの違いとは?違法リフト(簡易リフト)の注意点も解説

工場や倉庫でフロア間搬送を効率化するために使われる「垂直搬送機」や「バーチレーター」「オートレーター」。これらは似ているようで構造や用途が大きく異なります。また、以前から使われている簡易リフトには法令違反のリスクがあるため、注意が必要です。

本記事では以下のポイントをわかりやすく解説します。

  • 垂直搬送機・バーチレーター・オートレーターの特徴と違い
  • 簡易リフトの法規制と改修方法
  • 実際の導入事例・活用法

垂直搬送機とは|荷物専用の昇降設備の基本仕様と特徴

垂直搬送機は、荷物専用に設計された昇降機で、エレベーターのように上下階へ荷物を搬送します。以下のような特徴があります。

  • 人が乗らず、荷物のみを搬送
  • パレット・コンテナ対応のかご式構造
  • 上下階での搬出入が可能
  • 安全柵や扉の設置により高い安全性

主なメリット

  • フロア間での荷物搬送作業を分業でき、作業効率が向上
  • 作業者が昇降部へ侵入できないため事故リスクを抑制

バーチレーターとは|大量搬送に適した連続式昇降装置

バーチレーターは、ケースや段ボールなどの比較的小さな荷物を大量に搬送するのに適した、連続式の昇降装置です。

  • 複数の台座が連続して昇降する構造
  • コンベアラインに組み込み可能
  • 自動化ラインの一部として運用されるケースが多い

主なメリット

  • コンベアを止めることなく搬送可能
  • 高速かつ連続的な搬送が可能で、省人化に貢献

オートレーターとは|省スペース型の循環昇降装置

オートレーターは、パレットや重量物など大型の荷物搬送の連続搬送型の昇降機で、棚型の台座が循環して上下する構造を持っています。人が使う用途ではなく、荷物の搬送に用いられます。

簡易リフトとは|法規制と違法リスク

簡易リフトは、垂直搬送機に似た構造を持つ装置ですが、法的に厳しい制約があります。

  • 積載荷重が250kg以下、積載高さ1.2m以下
  • 常設用途では建築基準法・労働安全衛生法に抵触する可能性が高い
  • 安全装置が不十分なケースが多く、事故リスクが高い

主なリスク

  • 法令違反で使用停止命令の可能性
  • 人身事故につながる危険性

違法な簡易リフトのリスクと改修方法|法令対応のポイント

かつて導入された簡易リフトの多くは、現在の法令に適合しておらず以下のようなリスクがあります:

  • 荷物搬入口と昇降部が一体で、人が侵入可能
  • 落下・挟まれ事故のリスクが高い
  • 労働基準監督署の指導対象になる可能性

改修方法(実例)

  • 昇降部をかご化し、搬出入口を分離
  • 昇降操作をボタン制御に統一
  • 安全柵とインターロック機能を追加

垂直搬送機・バーチレーターの活用事例|現場での導入効果

ある物流センターでは、2階で検品・梱包した商品を1階の出荷場へ搬送するため、バーチレーター+駆動コンベアを導入。

  • 搬送作業をノンストップ化
  • 出荷能力が飛躍的に向上
  • 作業人員の削減にも寄与

荷物サイズや搬送量に応じて、垂直搬送機とバーチレーターを併用することで、最適な物流動線を設計可能です。

搬送装置4種の比較一覧

項目垂直搬送機バーチレーターオートレーター簡易リフト(違法リフト)
搬送方式かご式・昇降式連続台座式連続台座式かご式・昇降式
対象荷物パレット・大物荷ケース・小物パレット・大物荷物パレット・大物荷
搬送スピード低速高速中速低速
主な設置場所倉庫・工場搬送ライン倉庫・工場古い倉庫・一部工場(非推奨)
法令適合性×(原則使用不可)
安全性

まとめ|フロア間搬送の最適化と安全運用のすすめ

  • 垂直搬送機は安全性と中大型荷物向けに優れる
  • バーチレーターはケースの高速・連続搬送に最適
  • オートレーターは大型荷物の連続搬送
  • 簡易リフトの使用は法令違反の可能性が高く、早期改修が必要

当社では、倉庫・工場のフロア間搬送を安全かつ効率的に行うための動線設計・搬送機選定・設置提案までワンストップで対応しております。

「倉庫を有効活用したい」「適法で安全な搬送機器を導入したい」というご担当者様は、以下の問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

関連ワード

このコラムと
合わせて読みたいコラム

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
このコラムを読んだ方は次の記事も合わせて読むと、さらに御社の倉庫や工場のレベルアップに繋がると思います。ぜひご覧ください!

一覧へ戻る