• 2026.08.20

倉庫の天井高を活かす高層ラックを導入|限られた床面積で保管効率を向上

高層ラック
高層ラック

倉庫の移設や新規開設では、「限られた床面積で、必要な保管量をどう確保するか」が重要な課題になります。

保管量を増やすためにラックを増設すると、通路が狭くなり、ピッキングや搬送の効率が低下することもあります。そこで検討したいのが、倉庫の天井高を活用して縦方向に保管スペースを拡張する高層ラックです。

今回は、高層ラックとピッキングカートを組み合わせ、限られた倉庫スペースで保管効率と作業性を両立した導入事例をご紹介します。

倉庫の床面積を増やさずに保管容量を確保したい

今回のお客様は倉庫の移設に伴い、新しい保管レイアウトを検討されていました。

課題となったのは、限られた床面積の中で必要な保管量を確保することです。

単純にラックの列数を増やせば収納量は増えますが、その分通路が狭くなり、入出庫やピッキング作業に影響します。

そこで、床面積だけではなく倉庫上部の未利用空間を保管スペースとして活用する高層ラックをご提案しました。

高層ラックを導入する3つのメリット

天井高を活用して保管効率を高められる

床面積が限られている倉庫では、横方向だけでなく縦方向の空間活用が重要です。

高層ラックを設置することで、これまで十分に使えていなかった上部空間まで保管エリアとして活用できます。

同じ床面積でもラックの段数を増やせるため、保管物のサイズや重量、建物条件が適合すれば、保管容量の拡大につながります。

特に「倉庫を広げることは難しいが、天井まで大きな空間が残っている」という現場では、高層化を検討する価値があります。

ピッキングカートとの組み合わせで作業性を確保

ラックを高層化する際は、上段の商品をどのように入出庫するかまで考える必要があります。

今回は、高層ラックに対応したピッキングカートを組み合わせ、商品の取り出しを行える環境を整えました。

ラックだけを高くするのではなく、保管設備とピッキング方法をセットで設計することで、高さ方向の空間を活用しながら作業性も確保できます。

固定式高層ラックでシンプルな運用を実現

今回の計画では、移動ラックも候補となりました。

移動ラックは通路を必要な場所だけに設けられるため、高密度保管に適した設備です。一方、移動機構や制御設備が必要になるため、保管物や入出庫頻度、予算などを踏まえた比較が必要です。

今回は、倉庫の天井高や作業方法、導入コストなどを総合的に検討し、固定式の高層ラックを採用しました。

設備構成をシンプルにしながら、必要な保管量と作業性を確保しています。

施工概要

施工内容: 高層ラック+ピッキングカートの導入
施工地域: 愛知県 名古屋市
業界: 物流業

高層ラックの設計で重要なポイント

天井高と上部設備を確認する

高層ラックは、単純に天井いっぱいまで高くすればよいわけではありません。

倉庫内には、照明・梁・配管・空調設備・消防設備などが設置されています。

そのため、ラック上端と建物設備との位置関係を確認し、必要なクリアランスや消防・避難上の条件などを踏まえて高さを決定する必要があります。

保管物の重量とラックの荷重条件を確認する

ラックの高さだけでなく、各段に何をどれだけ保管するかも重要です。

保管物の重量・寸法・数量を確認し、1段あたりの積載荷重やラック全体の荷重条件に合わせて支柱・ビームなどの仕様を選定します。

高層になるほど、適切な構造設計や固定方法の検討が重要になります。

ピッキング方法まで含めてレイアウトする

高層ラックを導入して保管量が増えても、必要な商品を効率よく取り出せなければ倉庫全体の生産性は向上しません。

ピッキングカートの寸法や作業方法を踏まえ、必要な通路幅や旋回スペース、商品の補充動線まで検討します。

また、出荷頻度の高い商品を取り出しやすい位置に配置するなど、保管ロケーションの設計も重要です。

高層ラックと移動ラックはどちらを選ぶべき?

保管効率を高める設備として、高層ラックと移動ラックを比較するケースがあります。

高層ラックは、倉庫の高さ方向を活用して保管段数を増やす方法です。一方、移動ラックはラック間の固定通路を減らし、床面積に対する保管密度を高めます。

どちらが適しているかは、以下の条件によって変わります。

  • 倉庫の天井高
  • 床面積と建物形状
  • 保管する商品のサイズ・重量
  • SKU数と在庫量
  • 入出庫・ピッキング頻度
  • 使用する荷役設備
  • 必要な通路幅
  • 初期投資と運用コスト

保管量だけで判断せず、実際の入出庫方法や作業頻度まで含めて比較することが倉庫レイアウトを最適化するポイントです。

倉庫移設時は保管設備を見直すタイミング

倉庫移設では、既存倉庫で使用していたラック配置をそのまま新倉庫へ移すのではなく、新しい建物条件に合わせて保管方法を見直すことが重要です。

特に新倉庫の天井が高い場合、高層ラックを採用することで、床面積を増やさず保管量を確保できる可能性があります。

保管量、入出庫頻度、作業動線、荷役設備をあらためて整理し、新しい倉庫に適したレイアウトを検討することで、移設後の運用効率改善につながります。

まとめ

高層ラックは、倉庫の天井高を活用し、限られた床面積で保管効率を高めるための有効な選択肢です。

今回の事例では、高層ラックとピッキングカートを組み合わせることで、高さ方向の空間を保管に活用しながら、商品の取り出しにも対応できる倉庫環境を構築しました。

ただし、高層ラックを導入する際は、天井高だけでなく、梁・照明・消防設備などの建物条件、保管物の荷重、通路幅、ピッキング方法まで総合的に検討することが重要です。

ロジカルでは、倉庫の寸法や保管物、入出庫方法を確認したうえで、高層ラック・移動ラックを含めた保管設備と倉庫レイアウトをご提案しています。

「倉庫の天井高を有効活用したい」「床面積を増やさず保管量を増やしたい」「倉庫移設に合わせてラックレイアウトを見直したい」とお考えの方は、ぜひご相談ください。

関連ワード

このコラムと
合わせて読みたいコラム

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
このコラムを読んだ方は次の記事も合わせて読むと、さらに御社の倉庫や工場のレベルアップに繋がると思います。ぜひご覧ください!

・一覧へ戻る