業務上横領罪、つまり会社での盗みは、ここ10年で約20%ほど件数が下がってきていますが、それでも年間1,000件以上は依然として起こっています。
私たち倉庫や工場などの担当者においても、これらの問題は蚊帳の外の話ではありません。
倉庫で保管している高価な物品に薬品など、実に様々なものが従業員の方から盗まれる可能性があります。
「ウチの従業員はそんなことしない!」と仰る気持ちはもちろんわかりますが、会社として万が一のケースを考慮してリスクを取らない方法を採用するのが定石です。
今回は、倉庫・工場において、盗難を防止するセキュリティラックについて解説します。
もしかしたらウチの商品は盗まれるかもしれない、と思われた方はぜひこちらでセキュリティラックの導入を検討してみてください。
ー目次ー
盗まれる可能性が高い製品は、まず1つ目に、高価な商品です。
具体的には、高級食材や宝飾品などが挙げられます。
次に、薬品や劇薬などのケースです。
医薬品であれば基本的に処方箋がないと一般の方の手には渡らないため、盗難の危険性があります。
また、引火性の薬品や、劇薬などを悪用するために盗難や横領される危険性もあります。
盗難されて悪用され事件などが起こった場合、管理義務違反として責任を追及されるため、盗難防止のセキュリティ対策は必須となります。
※薬品などにおいても、消防法で規定される6種類に分類される危険物を保管する場合はセキュリティ対策のされた区域で危険物保管専用の保管設備を導入する必要があります。
セキュリティラックとは、通常のラックに鍵をつけることで従業員や外部の侵入者からの盗難を防止するラックです。
ラックの間口単体を施錠する方法から複数のラックを組み合わせてまとめて施錠する方法など、様々な方法があります。
それぞれの対策について解説していきます。
まず1つ目に、ラックそのものに施錠を行う単体のセキュリティラックについてご紹介します。
ラック単体ごとに鍵を付けたり、以下のように一間口ごとに施錠する形などもあります。
この単体のセキュリティラックのメリットとしては、ラックや間口単位で担当者を分けることができるようになります。
例えばラックや間口ごとに別のお客様の商品を扱う場合などは、この方法が最適な対策となります。
注意点として、ラックや間口ごとに鍵を変える場合は、鍵の本数が増えることや、マスターキーの作成など、ちゃんとした鍵屋さんに製作してもらう必要があるので、それなりの費用が掛かってきます。
このセキュリティラックはラック同士を組み合わせて、まとめて施錠を行う対策方法です。
たくさんの製品にセキュリティを確保する場合、単体のセキュリティラックでは鍵がたくさん必要となってくるので、こちらの方法が適しています。
写真のようにラックを組み合わせてそこにまとめて金網と扉を取り付けます。
扉に鍵を付けて完成です。
ラックを使って部屋を作るイメージですね。
この部屋の中の商品は一本の鍵で一括管理ができます。
このラックの便利なところは、この部屋の中でピッキングができてしまうところです。
単体ラックでピッキングするとき、何度も施錠と開錠作業が入ってくるので、商品の出入りが多い場合はこちらがおすすめとなってきます。
注意点として、単体のセキュリティラックのように棚や間口ごとに鍵を変えることはできません。
単体か複合のどちらのセキュリティラックが適しているかは、どのように運用するか、荷物や棚はどれくらいの数量かによって決めましょう。
導入前に現場の担当者と一緒にしっかりと打ち合わせをすることが大事です。
ラックほど大きいものは必要ないなという方はセキュリティキャビネットがおすすめです。
こちらは扉部分に掛金錠を取り付けて施錠します。
セキュリティを確保する商品が少ない場合や、顧客情報なんかを保管するのに向いています。
運用の注意点として、最も気を付けないといけないところはピッキングです。
ピッキングリストを作成するときに、施錠されているラックと、施錠されていないラックの商品を混ぜてしまうとピッキングの効率が非常に悪くなってしまいます。
セキュリティラックのみのピッキングリストを作成すると、ピッキングの効率が落ちずに済みます。
また、セキュリティラックと通常のラックのピッキングを混同すると、施錠漏れのリスクも増えるので、可能な限りセキュリティラックのみのリストにしましょう。
いざセキュリティラックの運用となったときに鍵の保管をどうするか、という問題が発生すると思います。
セキュリティラックの担当者以外が鍵に触れることがないように、鍵を保管するボックスなどを作り、そこも施錠することをおすすめします。
ピッキングリストや入庫リストなどと合わせて鍵を渡すなどの運用方法をとるようにしましょう。
少し面倒に感じられるかもしれませんが、運用面でセキュリティリスクが発生するとセキュリティラックの意味がなくなってしまいますので、注意しましょう。
また、鍵を電子錠や機械式ボタン錠にすることで鍵の保管をする必要を簡易化することができます。
ICカードをかざす、または番号で開錠する方式がありますが、マスターキーが存在していることが多いため、その保管のみが必要となっています。
ラックを施錠すればセキュリティは万全というわけではありません。
セキュリティラックだけであれば、鍵をこっそり使われれば意味がありませんからね。
こういったセキュリティ対策は二重、三重と他の対策をしていくことで効果を高めていきます。
一つのセキュリティを破られても、次のセキュリティで対策ができるように、監視カメラなど他のセキュリティ対策についても一緒に導入しましょう。
監視カメラは、ついていてるだけで「見られている」という意識を植え付けるので、横領を事前に予防することができ、おすすめです。
セキュリティラックは従業員の横領から商品を守るラックです。
セキュリティラックにはいくつか種類があるので、商品数や運用方法をもとに最適なラックを選定することがポイントです。
また、セキュリティラックだけでなく、他のセキュリティ製品と合わせて運用することが大切です。
従業員も大切ですが、お客様の商品も同じく大切なので、しっかりとセキュリティ対策を実施するようにしましょう。
弊社は創業から長らくお客様の倉庫の細かなお困りごとに寄り添ってまいりました。
セキュリティラックや、セキュリティ周りの運用も含めて首尾一貫して提案から納入の実績がございます。
どれが最適なセキュリティラックかわからない、どれくらいのセキュリティを確保するべきかわからない、運用方法がなるべく簡単なセキュリティを提案してほしい、など
セキュリティに関するお悩みや検討事項をお持ちの方は、まずは以下よりお気軽にお問い合わせください。
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