• 2024.05.14

保管物によって適切な対策方法を変えよう!パレットラックの落下防止対策について解説。

ラックの安全性が向上するにつれて、入出荷の効率はどのように影響を受けるかご存知でしょうか。
落下防止対策でラックをガチガチにすると、荷物の出し入れは面倒な限りです。
倉庫において最も大切なことは出荷能力なため、ラックの安全対策が軽視される本質はここにあります。

とはいえ今のところ安全対策が必要になることもなかったし、という気持ちもわかります。
だって安全対策が本当に必要と気付くのは事故が起きた後。起きた後に対策しても手遅れです。

近年は多くの会社で(特に大手企業では)安全対策を重要視する傾向にあります。
今回はパレットラックの安全対策について知っておいてほしい考え方と、対策方法について 3つご紹介します。

たくさんの会社様から安心して仕事を受けられるように、なにより大切な従業員の命を守るために本記事をお役立てください。

パレットラックの落下防止対策とは

パレットラックの落下防止対策が必要となる理由

パレットラックにおける保管物は重量物が多いため、地震などの災害などで保管物が飛び出してしまったり、落下すると重大な事故が起きてしまう危険性があります。
落下防止対策は求めるレベルや製品によって適した方法がいくつかありますので、自社に適した対策を採用しましょう。

落下防止対策について知っておくべきこと

詳しく解説する前に、落下防止対策について注意すべきポイントをお伝えします。
落下防止対策はどれも柵を取り付けて物理的に荷物の飛び出しを防ぐもので、飛び出しを抑え込む機能が大事となってきます。
しかし、最初にお伝えしたように、落下防止対策を入れることは荷物の出し入れの効率を下げます。
基本的に落下防止対策のついたラックからの荷物の出し入れは以下のような手順となります。

  1. 安全対策を外す
  2. 荷物の出し入れを行う
  3. 安全対策を付けなおす

対して、落下防止対策を行っていないラックでの荷物の出し入れは、2 の荷物の出し入れのみです。
もうお分かりかと思いますが、それだけ脱着が簡単な落下防止対策を導入しても、対策なしのラックに効率面では勝てません。
優れた落下防止対策は荷物の飛び出しを防ぐレベルのみではなく、安全対策の脱着をいかに簡単にできるかも重要なポイントとなってきます。

次項から、落下防止のレベルと脱着の簡単さの観点で落下防止対策をご紹介していきます。

落下防止対策の種類

チェーン式落下防止対策

まず1点目にパレットラックの間口にチェーンを掛けて保管物の飛び出しや落下を防止する対策方法です。

パレットラック両側面の支柱孔にピンを取り付け、そこにチェーンをかけることで入出庫時に着脱を行います。

チェーン式の安全対策は非常に低コストで導入することができますが、問題点も多くなっております。
まず、チェーンに重量物の飛び出しを抑えられるほどの強度がありません。
ないよりはマシ、くらいの強度でしょうか。
あとは運用面でも、脱着が簡単ではないです。
写真を見ての通り、フックにチェーンをかける必要がありますが、穴が小さいのが理由です。
ラック1段目であれば人の手で着脱できますが、二段目以上のチェーンはラックに登るか専用のスティックを使う必要があります。
落下防止のレベル、脱着のしやすさの両方の面でおすすめはしません。

パレット落下防止バー

2点目にパレットの飛び出しや落下の防止するバーを取り付ける方法です。

こちらもパレットラック側面の支柱孔にバーを斜めに取り付けてパレットの飛び出し、落下を防止します。

バーの先端はビームに鍵状のフックを取り付け、入出庫時に簡単に取り外しを行うことが可能です。

強度としてはチェーン式落下防止対策よりも強度の高い対策法なので、人気の対策法です。
また、上段から最下段までを最下段のフックで着脱するため、手を伸ばす必要なく入出庫時簡単に操作が可能です。

先ほどのチェーン式の落下防止対策に比べて、強度も脱着のしやすさも優れています。
ただし、V字にバーをかけるため、複数の保管物をストレッチフィルムなどでまとめていない場合は、バーの隙間から荷物が飛び出してしまう危険性があるため注意が必要です。

その他にも、間口に対して水平に掛ける方式の落下防止バーもあります。

バーの両端にチェーンがついていて、簡単に着脱が可能です。
こちらも落下防止の機能は高くおすすめの対策方法となります。

スライド式飛び出し防止対策

最後に、強度の高いスライド式飛び出し防止対策です。
写真中央のはしご型の柵がスライドし、荷物の飛び出しを防止します。
こちらは重量物の飛び出しにも耐えられる強度を持っています。

ビームに樽型のレールがついていて、中央にあるはしごのようなスチールの柵がスムーズにスライドします。

スライドさせるときは柵に取り付けられた取っ手を使って動かします。

こちらは強度、脱着(スライド)のしやすさともに優れています。
注意点として、長尺物の保管などパレットラックの間口いっぱいに開けるときは、隣の間口まで柵をスライドする必要があります。
依頼主の会社様よりレベルの高い落下防止対策を求められた際におすすめの対策方法ですね。

まとめ

落下防止対策は対策方法よって落下防止レベルや脱着のしやすさが変わってきます。
各対策方法の特性を理解したうえで、自社に最適な落下防止対策を選ぶようにしましょう。

当社では保管ラックを通して、お客様の保管における課題解決を行っております。
パレットラックの安全対策についても創業よりたくさんのお客様に提案してまいりました。
パレットラックの最適な安全対策法についてお困り、興味をお持ちの方は以下よりお気軽にお問い合わせください。

関連ワード

このコラムと
合わせて読みたいコラム

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
このコラムを読んだ方は次の記事も合わせて読むと、さらに御社の倉庫や工場のレベルアップに繋がると思います。ぜひご覧ください!

一覧へ戻る