• 2026.09.29

パレット保管の基本、パレットラックとは?導入メリットと設計ポイントを徹底解説

倉庫規模が拡大し、入出荷単位がケースからパレットへ移行すると、
パレットの保管方法や置き場の見直しが重要になります。

「床置きのままでいいのか?」
「パレットを安全に収納しながら、倉庫スペースを有効活用できないか?」

こうした課題を解決する代表的な保管設備が、パレット保管用のパレットラックです。

本記事では、パレットラックとは何かという基礎知識から、床置きとの違い、導入メリット、設計・施工の注意点まで、
倉庫のパレット置き場を改善するためのポイントを解説します。

パレットラックとは?重量物保管の基本設備

パレットラックとは、
パレット単位の荷物を多段で保管するための重量ラックです。

主な特徴

  • 1間口あたり 1,000~3,000kgの耐荷重
  • フォークリフトによるパレットの入出庫に対応
  • 多段化により倉庫の上部空間を保管スペースとして活用

➡ 一般的なスチールラック(~500kg)とは用途が異なり、パレット収納や重量物保管を前提として設計されます。

パレットラックのメリット|床置きとの違い

パレットを床へ直置きしたり、パレット同士を積み重ねたりする方法と比べ、パレットラックには保管効率・作業性・安全性の面でメリットがあります。
パレット置き場を改善したい場合は、保管数量や荷姿、フォークリフトの動線を踏まえてラック化を検討することが重要です。

スペースの活用

パレットラックは、一段目・二段目・三段目と多段化できるため、倉庫の上部空間まで保管スペースとして活用できます。
床置きでパレットを積み重ねる場合に比べ、下段の荷物を取り出しやすく、荷物の潰れや不安定な積み重ねも避けやすくなります。一時保管用のパレット置き場を省スペース化したい場合にも有効です。

視認性とアクセス性

パレットごとの保管位置を決めやすく、必要な荷物へフォークリフトで直接アクセスできます。
パレットの置き方をルール化することで、在庫の所在確認や入出庫作業も行いやすくなります。

耐久性と安全性

パレットラックはスチール製の頑丈な構造で、一段あたり1,000kg~3,000kgの重量物を収納できます。使用するパレットや荷姿、荷重条件に合わせて設計し、落下・転倒・フォークリフト接触への安全対策も検討します。

在庫管理の改善

保管位置を固定しやすいため、パレット単位で在庫を整理できます。棚番やラベル、バーコードなどと組み合わせることで、在庫管理やロケーション管理もしやすくなります。

費用対効果

パレットラックは比較的シンプルな構造で、倉庫の保管量や荷役効率を改善しやすい設備です。床置きスペースを減らし、既存倉庫を有効活用したい場合に検討しやすい保管方法です。

仕様

パレットラックは耐久性の高いスチールを使って製作されています。
主な部材は以下の通りです。

①支柱
パレットラックを支える柱です。ビームを取り付けるかぎ穴が75mmピッチで設けられており、パレットの荷姿に合わせて段高さを調整できます。

②桟・筋交(さん・すじかい)
支柱同士をつなぎ、ラックの強度を高めるために取り付ける鋼管です。

③ビーム
パレットを載せるための横梁です。保管物の荷重を受ける主要部材となります。

④サブビーム
ビームを補強するために取り付ける梁です。1パレットあたり2~3本程度を取り付けます。

⑤安全ピン
支柱に取り付けたビームが外れないように固定するための安全部材です。

設計・レイアウトの注意点

パレットラックは、ラック寸法だけでなく、パレットサイズ、荷重、使用するフォークリフト、建屋条件まで確認して設計する必要があります。
通路幅や高さ、床荷重、壁・天井とのクリアランスを誤ると、入出庫しにくいレイアウトになる場合があります。
ここでは代表的な注意点を紹介します。

フォークリフトの通路幅を確保する。

パレット保管物の入出庫にはフォークリフトを利用します。
ラック間で進入・旋回・荷役を行えるよう、フォークリフトの車幅や旋回に必要なスペースを踏まえて通路幅を確保します。

パレットラックの単体・連結の幅の違いに注意する。

パレットラックはラック同士を横方向へ連結でき、隣り合うラックで支柱を共有する構造です。
そのため、単体ラックを並べる場合と連結する場合では必要な横幅が異なります。レイアウト時は連結台数を踏まえて寸法を確認します。

フォークリフトのマスト高さに合わせた高さの設定にする

最上段のパレットを出し入れするには、フォークを保管位置より上まで持ち上げる必要があります。
ラック高さだけでなく、使用するフォークリフトのマスト高さや最大揚高を確認したうえで段高さを設定します。

壁や天井との距離に注意する。

保管数を増やすため壁や天井近くまでラックを配置する場合も、施工や荷役に必要な隙間(クリアランス)を確保する必要があります。
壁との隙間が不足すると、組立時に手や工具が入らない場合があります。また、天井高さだけでなく、梁・照明・配管などとの干渉にも注意が必要です。
保管量だけを優先せず、フォークリフトの通路幅や旋回スペース、建屋条件まで含めて設計します。

床レベルを調整する

パレットラックを安全に使用するには、水平・垂直を確保して設置する必要があります。
床面に高低差がある場合は、基準となる高さに合わせて土台部分でレベル調整を行います。
また、ラック本体と保管物の重量を踏まえ、倉庫の床荷重に問題がないか事前に確認することも重要です。

施工についての注意点

設計図面通りに床に墨出し、アンカー固定を打つ

設計どおりに設置するため、最初に図面に合わせて床面へ墨出しを行います。
設置位置を確認してからアンカーボルトで固定することで、計画した通路幅や建屋とのクリアランスを確保します。位置を誤るとアンカーの打ち直しが必要になる場合があるため注意が必要です。

作業者の技術が必要

パレットラックは部材が重く、高さのある施工では高所作業も発生します。
組立精度はラックの水平・垂直や安全性にも関わるため、適切な施工手順と安全対策のもとで作業する必要があります。

専用の工具があると便利

パレットラックの部材やアンカーボルトの固定には、レンチ、スパナ、ドライバーなどを使用します。
施工量が多い場合はインパクトドライバーも使用します。さらに、ラックの垂直・水平を確認するため、水準器も必要です。

納入事例

B社への納入事例

食料雑貨を取り扱うB社様の倉庫にパレットラックを納入しました。
パレットの荷姿を確認して間口・段高さを決定し、フォークリフトの通路幅や建屋とのクリアランスも確保して設計しています。

S社への納入事例

電装設備を製作されているS社の新築倉庫にパレットラックを納入しました。
フォークリフトで安全に入出庫できるよう、必要な通路幅を確保して配置しています。

基本的な設計に加えて、運用に合わせた安全対策も行っています。
フォークリフトが旋回する際にラックへ接触するリスクを抑えるため、ラックの四隅にガイドポールを設置しています。
また、パレットの大きさに種類がある場合や、パレットではなく商品を直接置く場合に対応するため、パネル(コンパネ)を敷いています。
パレットラックにコンパネを組み合わせることで、パレット以外の重量物を一時保管する用途にも活用できます。

まとめ・問い合わせ

パレットラックは、

  • パレット保管スペースの有効活用
  • フォークリフトによる入出庫の効率化
  • パレット置き場・在庫管理の改善

につながる、倉庫の代表的な保管設備です。

ただし、

  • 通路幅
  • ラック・フォークリフトの高さ
  • 建屋とのクリアランス
  • 床レベル・床荷重

などを確認せずに設計すると、入出庫しにくく安全性にも影響するレイアウトになる場合があります。

また、パレットを床へ縦置きする場合や一時保管する場合も、転倒や作業動線への張り出しが起きないよう、保管場所と置き方を決めることが重要です。

ロジカルでは、

  • 現地調査
  • レイアウト設計
  • 安全設計
  • 施工・設置

まで一貫対応し、現場条件に合わせたパレット保管方法をご提案しています。

パレットラックの導入やパレット置き場の改善をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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