• 2024.06.19

クリーンルームはなぜ高くなるのか?クリーンルームを安く抑える方法。

食品に医薬品、精密機器や半導体、電子部品や宇宙産業に渡るまで実に様々な製品がクリーンルームにて製造されています。
食品に虫など異物が混入していたりすると企業の信用問題に繋がるし、精密機器や半導体に微量の塵が入ってたら製品がまるで動かなくなってしまいますから、こういった製品の製造工場にはクリーンルームの導入が必須なんですよね。
でもクリーンルームを導入するってなるとどんな印象を抱きますか?
私が初めて抱いた印象としては「高そう・・・」だったんですが、皆さんも同じじゃないですか( ;∀;)

もちろん見た目の良い性能の高いクリーンルームを導入する場合は料金は高くなりますが、実は必要な機能だけを盛り込んだクリーンルームってそんなに高くなかったりするんです。

でも本当にそんなことができるの?って思われた方も多いと思います。
今回はクリーンルームについて詳しく解説しながら、導入時に抑えるべきポイント、料金を安く抑える方法について解説していきます。

クリーンルームを検討中の方はぜひこの記事をご参考にしてください。

クリーンルームとは

クリーンルームの機能

クリーンルームには清浄な空間内で加工・製造作業を行うために、以下のような機能を持っています。
・人や物がクリーンルームに入室するとき、埃や塵を持ち込まない
・内部で発生した目に見えない塵や埃などの汚れをクリーンルーム外に排出し続ける

クリーンルームは塵や埃が発生しないわけではなく、発生してもすぐに排出するという機能となっているんです。
よく勘違いをされますが、クリーンルーム内で人間が作業しているとどうしても微量の塵や埃などの発生は避けられないんですよね。

そんな微粒子が空気中にどれくらい含まれているかで、クリーンルームの性能を清浄度という規格で表します。

清浄度とは

清浄度とは空気中の含まれている微粒子の数のことで、1㎥中に何個の微粒子があるかの規格です。
規格にはISOと米国連邦規格の二種類がよく使われていますが、昨今は国際標準規格であるISOに合わせようという風潮になってきています。
(実際には日本では昔から米国連邦規格の方を使っていたため、現場ではClass1,000とかClass10,000みたいな言葉が飛び交っています)
実際の規格は以下です。

このように「このクラスなら、これくらいの規格で作らないといけないんだな~」と軽い理解で大丈夫です。
基本的には製造を依頼される際に、クラス○でお願いします。と言われると思います。

ただ、一応目安ではありますが、半導体はClass5以下、精密機械や電子部品、食品や医薬品はClass5~7、その他はClass6~8と言われることが多いです。
ちなみに部屋や事務所の中はどんなに綺麗にしていてもClass9以上になってきます。
そう聞くとクリーンルームの中がどれほど綺麗なのかよくわかりますね。

では続いて、このような清浄な空間を作るために具体的にどのような構造になっているかご紹介します。

クリーンルームの構造

クリーンルームでは製品を塵や埃から守るために、以下のような構造を持っています。

エアーシャワー

人が入室する際に、身体や衣服に付着した汚れを吹き飛ばしてくれます
クリーンルームの外と中を繋ぐ前室にこのエアーシャワーがついていて、この前室に入って扉を閉めると自動でエアーシャワーが作動します。
扉は片方しか空かないようになっていて、クリーンルーム内に外気が入らないような仕組みとなっています。
たくさんの人が入室する場合は、2~4人が同時にエアーシャワーの前室に入室できるようなものもあります。
例えば30人入室するとなったときに1人しか入室できないエアーシャワーしかないと全員の入室に30分ほどかかってきてしまいますから、始業前に行列ができないように入室人数に気を付けましょう。

フィルターユニット

空調機の送風口に取り付けるフィルターをフィルターユニット(ファンフィルターユニット:FFU)などといいます。
クリーンルーム内に入る空気は全てこのフィルターを通るため、目に見えない塵や埃などの微粒子が抑えられています。

またフィルターには、プレフィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルターという3種類のフィルターがあります。
プレフィルターで大きな汚れを取り除き、HEPAフィルター、またはULPAフィルターで細かな微粒子を取り除きます。
基本はプレフィルター+HEPAフィルター、もしくはプレフィルター+ULPAフィルターのどちらかを採用します。
クラス10,000 ~ 100,000であればHEPAフィルター、
クラス10,000以下であればより粒子捕集率の高いULPAフィルターを使うことが多いです。

差圧ダンパー

クリーンルームでは外から汚染された空気が入らないように空調を調整し、室内の気圧を高くします
気圧を高くすることによってドアを開けたときに、空気が逃げようとするため外気が入ってきません。これを陽圧といいます。
気圧が高い状態ではドアを開けた際にも空気は出るのみで入ってくることはなく、クリーンルーム内での空気を清浄に保ちます
陽圧が強すぎると、中の作業者に頭痛を引き起こしたり、ドアが開きにくかったりします。
そういった対策として、一定以上の気圧にならないように自動で気圧を調整してくれる差圧ダンパーという製品があります。
ダンパーを調整して気圧が一定以上になると、装置が動き、自ら圧力を逃がして調整してくれます。

クリーンルームの壁には2つの特徴があります。
1つめに、気密性の高さです。
もし壁に隙間などがあればそこから空気の出入りするため、コーキング処理などを行い隙間を完全になくす必要があります。
2つめに、防塵性です。
壁などに人や物が当たったときに目に見えない粉塵が発生します。
その粉塵が製品の品質に影響を起こす可能性があるため、壁の素材が粉塵を起こしにくい素材を採用するようにしましょう。

床も壁と同じく防塵仕様が必要です。
通常の床であれば人が歩くだけで発塵するので、発塵しにくい塩化ビニール樹脂の塗装などを行いましょう。

クリーンルームが高くなる理由

クリーンルームとは先述のとおり、発塵を抑えて発生した微粒子を取り除く機能を持っています。
一見部屋を作るとなると料金は非常に高価になると思われがちですが、実際にはそんなことはありません。
料金を抑えるためには必要な機能を必要な仕様で製作します。

では実際に料金が高くなる理由としては「必要以上の機能や必要ないものを入れるから」です。
よくあるケースとして壁を特注の防塵素材で作ったり、パッケージになっている専用の空調を入れたりすると値段が高くなります。
また、見た目を気にするとさらに高価になります。
綺麗な見た目にしたり、色を付けたりなんかがそうですね。

お客様が視察に来られるからなど様々な理由があると思いますが、基本的にクリーンルームの機能は変わりません

世界的に有名な飲食メーカーさんは製造現場に一般のお客様が来られる予定でしたが、必要な機能と見た目も装飾などを行いませんでした。
どれほど華美なものを要求されるかと思っていましたが、やはり大きくなる企業さんというのは無駄な経費の削減を好むのでしょうか・・・

もちろん半導体など非常に高い性能を求められるクリーンルームであれば、一切の妥協が許されず値段は高価になってきますが、
Class7以上(Class10,000以上)などであればコストを抑えることが可能になってくると思います。

納入事例

機械製造メーカー

こちらは機械メーカー様向けに納入したクリーンルームです。
製造過程が非常に長いため、クリーンルーム自体も同じように長い形状となりました。

壁は防塵性のパーテーション間仕切りで製作しました。

防塵仕様、かつ空調で陽圧をかけて差圧ダンパーで空気を逃がすようにしています。

入室時にエアシャワーやパスボックスを設置することでそもそも塵や埃などの汚れが混入することを防ぎます。

工具メーカー様

製品を製作する過程で塵や埃が付着してはいけない工程があり、その作業室をボード間仕切りで製作し、クリーンルーム仕様で製作いたしました。

天井部にファンフィルターユニットを取り付けていて、内部の空気の循環を行っています。
室内は気密となっていて、外部の汚れた空気が入らないようになっています。

まとめ

クリーンルームには高価なものが多くありますが、同じ機能を持ちながら費用を抑えるポイントがいくつも存在します。
求めるクリーンルームの能力をしっかりと把握し、それを実現するために必要以上の仕様となっていないかをチェックしましょう。

当社は創業から30年以上にわたり、小規模から大規模の会社様の工場まで、幅広く提案、製作をしてまいりました。
お客様にとって本当に必要な仕様でクリーンルームを製作させていただきます。
まずはお気軽に以下の問い合わせボタンからお声がけください!

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