パレット単位での運用が増えてきた倉庫では、「どのように効率よく保管・管理するか」が重要なテーマです。従来のケース単位からパレット単位に変わることで、倉庫の運用方法や設備設計も見直す必要があります。

今回は、倉庫のパレット保管に欠かせない「パレットラック」について、その構造や導入メリット、レイアウト設計の注意点まで解説します。

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パレットラックとは

パレットラックは、倉庫内でパレット単位の荷物を安全かつ効率的に保管するためのスチール製ラックです。一間口あたり1,000～3,000kgの重量物を支えられる構造で、「パレット用の棚」としての役割を果たします。

平置きやパレットの積み重ねでは安全性や作業効率に限界がありますが、パレットラックを導入することでそれらの課題を解消できます。

パレットラック導入の5つのメリット

スペースの有効活用

床に直置きする場合と比較し、複数段にわたって収納できるため、倉庫の上部空間を無駄なく使えます。床置きでは荷物の潰れや取り出しづらさの問題が生じますが、ラック化することで解消できます。

在庫の視認性とアクセス性向上

ラックによってパレットごとの配置が明確になるため、商品を探す時間が削減され、ピッキング効率が向上します。

耐久性・安全性の強化

スチール製の構造により、重い荷物も安定して保管できます。適切な設計と安全対策を施すことで、作業者の安全も確保できます。

在庫管理の精度向上

パレットごとにバーコードやラベルを管理しやすくなるため、WMS（倉庫管理システム）との連携によるトレーサビリティ向上にも繋がります。

高い費用対効果

シンプルな構造で導入コストが抑えられる一方、得られる業務改善効果は大きく、コストパフォーマンスに優れています。

パレットラックの基本仕様

• ①支柱：75mmピッチで高さ調整可能なかぎ穴付き
• ②桟・筋交：強度を補強するための鋼材部材
• ③ビーム：荷物を載せる横梁。偏心荷重にも強い
• ④サブビーム：ビームをさらに補強
• ⑤安全ピン：ビームの脱落防止のために取り付け

設計・レイアウトの注意点

フォークリフト通路の確保

フォークリフトが旋回・荷下ろしできる通路幅が必要です。車種によって必要幅は異なります。

単体と連結の違いに注意

パレットラックは連結が可能で、支柱を共有することで省スペース化できます。ただし、全体幅の計算に注意が必要です。

マスト高さに応じたラック設計

最上段パレットがマストで持ち上げられないと入出庫が困難になります。使用する機種に合わせて高さを設計しましょう。

壁・天井との距離(クリアランス)確保

設置後の調整や安全対策のためにも、周囲には作業スペースを設けることが重要です。

床レベルの確認

倉庫の床は完全に水平でないことも多く、レベル調整が必要です。傾きがあるとラックの安定性に影響します。

施工時のチェックポイント

• 設計図に基づいた正確な墨出し
• アンカーボルトでの固定と位置精度の担保
• 高所作業における安全対策の徹底
• 工具の準備（インパクトドライバー、水準器など）

導入事例紹介

食料雑貨倉庫

保管力増強のため、既存の倉庫にパレットラックを導入。荷姿と出荷頻度に応じた段割り設計で、入出庫動線を最適化しました。

電装設備倉庫

新築倉庫に導入。フォークリフトの旋回を考慮し、ガイドポールを設置。また、商品直置き対応としてパーチクルボード(パネル)設置による工夫も施しました。

まとめ・導入のご相談

パレットラックは、倉庫における保管効率や作業安全性、在庫管理レベルを高めるうえで欠かせない設備です。

設計や施工には専門的な知識が必要なため、失敗を防ぐには信頼できる業者に相談するのが確実です。

当社ロジカルは、30年以上の実績をもとに、最適な「倉庫 パレット保管」環境の構築をサポートしています。

「パレット置き場の改善」や「倉庫レイアウトの最適化」など、パレット運用の課題があればお気軽にご相談ください。